(25) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今回は【3月の魚】についてお贈りいたします。
【3月の旨い魚】
3月は、気温上昇と共に生食系の食材を買い求めるのが一番ですね。
サラダ、味噌和え、酢の物の需要が格段に増加していきます。
3日はひな祭りのイベントがあり、鮮魚部門では《土用の丑の日》に次ぐ
大きなイベントとして力を注いでいます。
また揚げ物、炒め物の中華など中間食に、海老・貝類がお値打ちにも…。
がオススメになります。
また新物になる《ちりめん》もお忘れなく。
海水温が上昇してくると、プランクトンが増え、それに伴いあみ海老などの
稚魚を増え、それを追いかけてイワシが多くなり、それに伴い
マグロ、ブリ、カツオなどの大型魚が北上してきます。
特に今年は暖冬でしたので、イワシの入荷量が例年よりも増えています。
春は新物の季節にもなるので、魚のほとんどは卵・白子を抱えてます。
だからこの時期は、親魚よりも稚魚がオススメであり、美味しいのです。
次回は【4月の旨い魚】についてご紹介していきます。
お楽しみに〜
(24) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今回は【2月の旨い魚】をお贈りいたします。
【2月の旨い魚】
1月の魚同様に、寒ブリ、寒サバ、寒さわらに加えて
この時季豊富になるカレイ類に注目したい
特にクセの少ない赤カレイは、しっかり豊富なエサを
食べて、丸々しています。
また3日には節分があるので寿司ネタ系の刺身はお買い得に。
そして節分前から節分イワシを売り出しているのでお見逃しなく。
9日は語呂合わせでふぐの日に当たるので、
テッサ、テッチリ、唐揚げがオススメに。
ちなみにバレンタインデーの14日は
2(に) 1(ぼう) 4(し)で煮干しの日でもある。
また後半からは、春を告げる魚
貝類からは《あさり、ホタテ貝、サザエ、ホッキ貝》
などが売り場を彩るようになってきます。
この時季を過ぎると、産卵期を迎えるため、
卵に栄養を取られ、身はゲッソリ痩せてしまいます。
なので卵が出来る前の丸々した魚はとても美味しいのです。
次回は3月の旨い魚をご紹介していきます。
お楽しみに〜
(23) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今更ですが、ナベっちFCのFCはサッカークラブではなく
フィッシュクラブです。😃
すみません、どうでもいい事でした(笑笑)
今回は一年飽きずに魚が食べれる、毎月の旬の魚を
ご紹介していきます。
【1月の魚】
寒さの厳しいこの季節、寒魚と呼んでいる、
ブリ、サバ、タラ、アンコウ、ヤリイカ、さわら、しじみが旨い。
鍋材料になる魚種が豊富になります。
スーパーではお正月には、縁起の良い食べ物
海老、数の子、蒲鉾、伊達巻、
出世魚のブリ、さわら。
豪華なお刺身がよく並んでいます。
また『冬の土用』と言った月が1月に当たるので、
うなぎも良いと思います。
『冬の土用』とさり気なく出しましたが、
季節の変わり目毎に、
『春の土用』『秋の土用』もあります。
馴染みがあるのは『夏の土用』ですね。
【1月の魚】は鍋材料中心のメニューが一番オススメになりますが、
1月は、お正月の後、七草粥、成人の日、受験シーズンと
スーパーではイベントに合わせて、特売日も多くなり、
お値打ちな魚も出回りやすくなります。
また月の終わり頃には、お正月に売り損ねた商材が
《ビックリ値》‼️で売られたりするので
楽しみながらお買い物できる月になりますね。
次回は【2月の魚】をご紹介していきます。
お楽しみに〜
(22) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今回は【寄生虫】についてご紹介していきます。
★魚には必ず【寄生虫】がいます。
中には、有害なものもあるので、ここでは
代表的なものをご紹介していきます。
★皆さんは【寄生虫】による食中毒は、
スーパーや鮮魚店で並んでいる魚を食べて
起こっているイメージではないでしょうか❓
★実は食中毒のほとんどは、釣った魚を刺身にして
食したものが原因であるのです。
★スーパーでは【寄生虫】による食中毒は、
ほとんど少なくなりました。
それは《ブルーライト・ブラックライト》と
呼ばれる《寄生虫を発見するライト》を
使っているからです。
それでは【寄生虫】を見ていきましょう。
体長2,3cmで内臓表面に多くは生息し、
時に筋肉中にもいる場合がある。
アニサキスがとても厄介なのは、
食べた人に何らかの、影響がある事。
特に生きたまま胃や腸に入ると、
その“壁“に侵入し、この時に激しい痛みを伴い、
酷い人は、吐き気、嘔吐、じん麻疹を引き起こし、
救急車を呼ぶことも…。
効果的な予防法は、決して生で食さずに
加熱すること。
それでも生で食したい場合は、マイナス20℃以下で
24時間食材を凍らせればアニサキスは死滅します。
食中毒の例として
ご家庭でスーパーで買ってきた新鮮なサバを
『酢サバ』にした例があります。
魚屋さんが『酢サバにもできる』と言われて
買ってきたと思います。
鮮度的には問題無いのですが、アニサキスの
問題があるのです。
これにより『あそこのスーパーで買ってきた魚で
食中毒になった』とイメージされてしまうのです。
今ではスーパーでは【寄生虫】の対処法を
お客様に伝える事はほとんど有りません。
食中毒になり、例え保健所に訴えても、生食用として
販売して無い限り、本来なら勝手に生で食したお客様の
自己責任なのです。
それでもスーパーでは悪いイメージが付いてしまうのを
恐れて、謝罪してくると思いますが……
★特に多い魚は鮭、ニシン、タラ、イワシ、サバ、アンコウなど
北の方に多い魚です。
小さくトグロを巻いているので、発見しにくいので
生食には注意して下さい。
❷ニベリン条虫
スケソウたらや生のイカに生息している。
白く5ミリくらいの大きさで、よく見ると
頭部に4本のヒゲのようなものがある。
カツオなどに付く“テンタクラリア”よりは小さい。
❸テンタクラリア
米粒大で、サバ、カツオに付く。
これも頭部に4本のヒゲのようなものがある。
人体への影響はないとされている。
❹ブリ糸条虫
魚の血を吸って橙赤色に見える。
長いものは50センチにもなる。
ブリの腹腔によく見られる。
人体への影響はないとされてる
★ノロウィルス
食品従事者なら、ここ最近では特に
神経質になるのがこれだ。
以前では小型球形ウィルスと呼んでいた。
一度感染したとしても、何度も感染する可能性がある。
多くはカキのような二枚貝を生食で食べてなる。
激しい下痢、嘔吐を引き起こし、急性胃腸炎を発症して
救急車を呼ぶ事になる。
現在では保菌者からの二次感染が問題となっている。
★これらは全て加熱すれば、何の問題も無いものばかりです。
とにかく良く聞かれるのは、今まで何とも無かったと言われる。
たまたま運が良かったに過ぎません。
ともかく気を付けて食していきたいものです。
次回も楽しみに〜
(21) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
今回は我々生鮮品を扱う作業の中で、一番重要である
【氷塩水処理】についてお贈りいたします。
【氷塩水処理】
何故【氷塩水処理】が必要か❓
❶魚の旨味に当たる、タンパク質を変化させる
細菌増殖の抑制の為の低温管理と洗浄
❷脂肪を酸化させる酸素の遮断
❸魚体の温度を下げる
❹魚体の水分補正をする
どういう【氷塩水】を作るのか❓
①塩分濃度3,5%(海水と同じ)
②0℃から➖2℃に設定する
《作り方》誰でも作れます😃
★塩分濃度3,5%とは重量比の事なので
例えば、水と氷を各1キロ、ポリに入れると
これに塩を何g入れればよいかが分かる。
3,5%は(0,035)であるから
0,035=❎÷(2000×❎)
❎=0,035(2000×❎)
0,965❎=700
❎=72,5
よって72,5gの塩を入れれば良い。
この塩分濃度を守れば、魚体の温度を下げ、水分補正ができる。
★魚の水分補正は、塩分濃度が薄かったり、水洗い後の魚は
魚体表面に水分が侵入する。
それを適正な塩分濃度の塩水に入れることにより、
本来の魚体表面に戻る。
逆に塩分濃度が濃いと、魚体表面の水分は体外に出てしまう。
また魚体の大きさにより、魚体温の下がる時間が違う
(ブリとイワシでは違うのが分かる)
だから魚種により、それぞれタイマーを付けて分かるようにしてある。
但し、エビについては生活水が汽水(淡水と海水の混ざった水)
のため塩分濃度は1,5%でなければならないので
注意が必要です。
これらをしっかり守れば、良い状態で魚を
販売できます。
次回は生魚を扱うのに、決して避けて通れない
【寄生虫】についてご紹介していきます。
お楽しみに〜
(20) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今回は魚が陳列ケースに並ぶまで、どんな工程を経て
陳列されているのかをご紹介していきます
★ほとんどのスーパーでは、納品された魚を直ぐに
調理して切身などにしている訳ではありません。
★何故なら何の処理もしていない切身などを陳列すると、
鮮度落ちが激しく、ドリップも直ぐに出やすく、
それに伴い臭いが、直ぐに出てしまいます。
★だから鮮度保持の為に【氷塩水処理】をします。
❶《正しい鮮魚管理技術》
生魚、冷凍魚と魚種・形態により、解凍の必要な魚
水洗い、氷塩水処理が必要な魚がある。
では陳列するまでの流れを見ていきましょう。
①調理(ここではエラハラ・セミドレス・ドレスまでの加工)
②水洗い(汚れや血合いをキレイにする)
③水切り
④氷塩水処理(次回に詳しくお伝えします)
⑤水切り
⑥拭き取り
⑦切り付け加工(切身や刺身に)
⑧冷やし込み
⑨パック詰め作業した後、もう一度冷やし込み。
⑩包装→値付け→品出し
一つの商材に、これほど手間が掛かっています。
品温の上昇が最大の鮮度劣化になるからです。
この作業を惜しみなくしているから、
美味しくて臭みも無く食べれるわけです。
次回は陳列するまでの要である【氷塩水処理】について
お贈りいたします。
お楽しみに〜
(19) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】
皆さんこんにちは😃ナベっちFCです。
今回は【スーパーなどで陳列ケースに並ぶまで】をお贈りいたします。
★鮮魚の商品は漁獲された『鮮魚』と
乾燥させたり、調味を施し加工してある『塩干』、
そして冷凍されて流通される『冷凍魚』がある。
その中でも『鮮魚』の多くは、氷塩水処理を中心とした
鮮度管理技術が求められる。
また消費者が食卓に載せやすいように、
販売形態を変更しなくては売れません。
それをどのように変更しているか❓
ご紹介していきます。
【鮮魚加工の形態と呼び名】
❶丸魚の状態→ラウンド(サンマやアジ)
❷頭を付けたままエラと内臓を出す→エラハラ
(アジやイサキ、メバルなど)
❸頭を付けたままだけど、カマの部分まで包丁で裂いて
エラハラしている→セミドレス
★この状態で販売される事はほぼ無い。
❹頭をカットして内臓を出してある→ドレス(イワシなど)
❺三枚おろし→フィーレ(アジやサンマやイワシ)
❻三枚おろしを四つ割→ロイン(つばすの冊取り)
❼皮なし→スキンレス(タラやカレイなど)
❽ブロックにカット→チャンク(コロ)刺身用のもの
❾板状にしたもの→冊(刺身用のもの)
➓切身
このように加工されていきます。
これらの魚種も形態も違う魚に応じて
鮮度管理技術が求められます。
そして正しく加工されて陳列ケースに並ぶようになります。
次回は正しい鮮度管理技術をご紹介していきます。
お楽しみに〜