(21) 現役の魚屋さんが贈る【魚の教科書】

今回は我々生鮮品を扱う作業の中で、一番重要である

【氷塩水処理】についてお贈りいたします。

 

【氷塩水処理】

何故【氷塩水処理】が必要か❓

❶魚の旨味に当たる、タンパク質を変化させる

細菌増殖の抑制の為の低温管理と洗浄

❷脂肪を酸化させる酸素の遮断

❸魚体の温度を下げる

❹魚体の水分補正をする

 

どういう【氷塩水】を作るのか❓

①塩分濃度3,5%(海水と同じ)

②0℃から➖2℃に設定する

 

《作り方》誰でも作れます😃

★塩分濃度3,5%とは重量比の事なので

 例えば、水と氷を各1キロ、ポリに入れると

 これに塩を何g入れればよいかが分かる。

 3,5%は(0,035)であるから

 0,035=❎÷(2000×❎)

        ❎=0,035(2000×❎)

   0,965❎=700

       ❎=72,5

 よって72,5gの塩を入れれば良い。

この塩分濃度を守れば、魚体の温度を下げ、水分補正ができる。

 

★魚の水分補正は、塩分濃度が薄かったり、水洗い後の魚は

 魚体表面に水分が侵入する。

 それを適正な塩分濃度の塩水に入れることにより、

 本来の魚体表面に戻る。

 逆に塩分濃度が濃いと、魚体表面の水分は体外に出てしまう。

 また魚体の大きさにより、魚体温の下がる時間が違う

 (ブリとイワシでは違うのが分かる)

 だから魚種により、それぞれタイマーを付けて分かるようにしてある。

 但し、エビについては生活水が汽水(淡水と海水の混ざった水)

 のため塩分濃度は1,5%でなければならないので

 注意が必要です。

 

これらをしっかり守れば、良い状態で魚を

 販売できます。

 

次回は生魚を扱うのに、決して避けて通れない

寄生虫】についてご紹介していきます。

お楽しみに〜